一時支援金の現状からみる給付申請について
緊急事態宣言に伴って売上が50%以上減少した中小企業、個人事業者に給付される一時支援金は、
5月31日が申請の期限となっております。
申請には事前確認が必要で、その確認機関として税理士等がなっております。
これまで経験したこととして、申請に困っている事業者の方が多くいらっしゃいます。
そこで申請での注意点をお伝えしていきたいと思います。
目次
<登録確認機関の問題>
昨年あった「持続化給付金(法人200万円、個人事業100万円上限)」の申請では、多くの不正受給がありました。
そのためご承知の通り、この一時支援金では、登録確認機関(税理士等)の事前確認を通して出ないと申請できないように変更がありました。
この事前確認の制度に不備があり、事業主側と登録確認機関側の両方で混乱をきたしています。
<事前確認の報酬>
給付の対象となっている事業者は売上が大きく減少しているため、資金繰りが厳しい事業者ばかりだと想像できます。
一方で、国側はこの事前確認の報酬を「1件1,000円渡すので登録確認機関は無償で引き受けて欲しい」というスタンスです。
しかも、30件以上扱わないとその1,000円も支払わないという内容です。
税理士事務所にとって、3~5月は繁忙期です。
そのため、事前確認の引き受けは顧問先だけとする税理士事務所が圧倒的に増えました。
こうしたことから、顧問税理士等がいない事業者は、登録確認機関を探すのが困難になりました。
さらに、事前確認を高額で引き受ける登録確認機関も出て、余計に不満が募っているのが現状です。
<事前確認の無償化対策>
上記の問題から、国は独自に登録確認機関を設け、無償で対応する策を打ち出しました。
しかしながら、4月には開設しているはずのその機関は、いまだに確認が取れません。
また、登録確認機関側の視点で申し上げると、責任を負って事前確認をするため、
片手間で行えるようなものではありません。
制度の内容の理解、資料の不備の対応、事業者からの質問の対応など、
時間や労力をかけて対応しますので、1件1,000円では対応をしない税理士事務所が増えるのは仕方ないと思います。
<事前確認の現状>
中小企業庁のHPでは、「約9割の方が無償で事前確認をうけております。」と記載されていますが、
これは顧問税理士がいる場合ではないでしょうか。
中小企業庁HPより
https://reservation.ichijishienkin.go.jp/third-organ-search/
実は、この検索では、登録確認機関が顧問以外の事業者の事前確認を行っているのか分かりません。
※登録確認機関では、顧問先以外を受け入れるか否かは申請しています。
そのため事業者は、何件も連絡して探すことになります。
一つの方法として、相談窓口で聞けば、顧問以外で対応している登録確認機関を教えてもらえます。
闇雲に連絡するより、まずは窓口で聞いてから、お問い合わせすることをお勧めします。
<まとめ>
制度が実状に追いつかないことは多々あります。
実際に、登録確認機関の理解不足から事前確認を断られるケースもあるとのことです。
少し大変ですが、何件が問い合わせて対応してくれるところを探すしかないですね。
※参考までに、弊事務所では個人5,500円、法人11,000円で事前確認を承っております。
経済産業省 一時支援金HPより
https://www.meti.go.jp/covid-19/ichiji_shien/index.html
参考ブログ