家賃支援給付金 不備の連絡が多発
このブログで何度か取り上げいる家賃支援給付金の申請について、結構手間がかかるし整える資料や申請書の書き方に注意が必要だとお伝えしてきました。
そうして慎重に資料を揃えて提出したものであっても、不備ややり直しの連絡がきているものが多数あるのが実情です。
個別のケースになりますが私が見聞きした不備の例についてご紹介したいと思います。
目次
記載や押印が薄い
家賃支援給付金では、それぞれの賃貸物件の賃貸借契約書の写しを提出することになります。
その契約書には給付金申請で必要なところに丸印を付けて提出するよう求められているのですが、会計事務所では契約書の原本は預かっていません。
そうすると一旦賃貸借契約書をプリントアウトして丸印をつけ、再度データ化して提出することになります。
この作業を行うと何が起きるかというと、薄く書かれている部分や印鑑はより薄くなり見にくくなるということです。
今回あった不備の連絡では、「記載や印鑑は見えるけど薄いです。もう少し濃くして再提出するか、契約書が提出できないという証明を付けて出し直してください」というものでした。
これはなかなか難しい注文です。いくら最近のコピー機器等が性能が良くなっているとはいえ、加筆している書面について、薄い部分を原本以上に濃くすることは出来ないのではないでしょうか。
せめて丸印無しの契約書も合わせて提出できるであれば十分に見えるのにと思う次第です。
銀行総合振り込みの表が認められない
この不備が一番頭の悩ませるものです。
銀行ではインターネット上の振り込みの方法に「総合振り込み」というものがあります。
簡単に言うと、複数の振込先に対して同時に振り込みが出来るというものです。
月末などに家賃を支払っている事業者の方ですと、他の仕入先などの支払いと一緒に総合振り込みを使って家賃を払うことが多いと思います。
その総合振り込みで支払った家賃については、支払いの実績として認めらないというものです。
もちろん、総合振り込みでも相手先名、日付、金額、振込完了の記載がある総合振込表というものがあります。ただ、コールセンターの窓口の方がおっしゃるには、「審査部ではそれを振り込んだという証明とは認めていない」とのことでした。
家賃支援給付金の申請案内には、家賃の支払い実績として通帳コピーを提出することなどを記載されています。但し、この総合振込をした場合、通帳にはその総額が記載されるのみで、内訳は「総合振込表」でしか確認することができません。
これを不備と言われてしまうと、貸主と借主が自署した支払実績証明書を付けるほか手段がなくなってしまうことになります。
不備の指摘があったのは、三井住友銀行と三菱UFJ銀行の総合振り込みでした。
おそらく他の銀行でも不備を指摘されているのではないかと推察されます。
追記
この総合振込での不備ですが、ある事業者の申請で6件総合振込があり、1件は別の支払実績証明書の提出を求められましたが、他の5件については修正を依頼されることなく、申請が通ったという事例がありました。
家賃支援給付金の対応内部でも判断基準が変動しているのかもしれません。
税理士署名した事業概況説明書が認められない
ある非営利活動法人での申請の例になりますが、売上の証明について税理士署名した売上表を提出しました。
そこで指摘された不備ですが、最初に「法人事業概況説明書もしくはこれに該当するようなものを提出してくれませんか」ということでした。
この法人では事業概況説明書は作成していないため、税理士署名をした事業概況説明書を作り提出することにしましたが、次に「売上証明と事業概況説明書は売上が一致しますが、法人税申告書の別表1に記載がある売上高と一致しません。理由もしくは再提出をしてください」と連絡がありました。
理由としては、法人税の申告では営利活動部分しか売上を申告しないためですので、その旨を伝えたところ、一般の法人ではなく非営利活動法人としての申請に修正することで無事受理をされました。
この例では無事に給付されていますが、実際はクライアントの方が申請をしているので、何度か不備のメールが届いても、どの修正をすれば認められるのかが分からないというのが大きな障害でした。
そのため、その都度コールセンターに聞いてやり直しをされていましたが、コールセンターからの返答に1週間以上かかっていましたので、なかなか修正が進まないような案件となりました。
まとめ
私も何度かコールセンターと話をさせてもらっているのですが、契約書や支払い実績の証明に不備があるときに、それ自体を修正させるのではなく「賃貸借契約等証明書」や「支払実績証明書」を書かせて対応するようにマニュアル化されているような印象を受けます。
また、1ヶ月近く経ってから不備が指摘されたり、やり直しても2週間後に別の不備をさらに指摘されたり、コールセンターからの回答が2週間以上来なかったり、給付金側の対応がかなり遅れています。
全国から大量の申請があり仕方がないところとは事情は察します。
そうであるならば、わざわざ提出が難解になるような方法は変更してもらえたらと思う次第です。
提出される方は、根気よく対応していきましょう。
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