行くか止めるか。GoTo鳥貴族問題。
目次
Go To Eatキャンペーンの乱用
10月1日より開始されたGoToEatキャンペーンでは、いくつかの指定サイトより予約してお店に行って食事をすれば、昼なら500ポイント、夜なら1,000ポイント付与されます。
その制度の穴をついて、一部の人がこのキャンペーンを乱用するという問題が発生しました。
その方法はいたって単純で、夜にお店を予約して、ほんの少ししか食事をせずにお会計を済ませ、ポイントをゲットすることです。
単価の安い居酒屋の鳥貴族が集中的に狙われているようで、毎日298円だけ食事をして帰っていく客が多くでました。SNSでこの手法「鳥貴族錬金術」という名で広まったことも影響しているとのことです。
お店としては、予約の確認や席の確保など、当然手間はかかっているわけで、そんなお客様ばかりだと儲かるわけもなく、本当のお客を逃してしまうことになりかねません。
ただ、この活用方法は制度上は何も違反していませんよね。
決められたルールの下でやっている行為のため、見方を変えれば合法的で合理的な行動とも言えるやり方です。
会計事務所あるある
会計事務所に勤める人であれば聞かれない人はいないと思われる質問があります。
「これって経費に落ちますか?」
そう聞くクライアントの方は、普通に考えて経費に落ちないことは分かったうえで聞いてくる場合が多いです。
つまりこの質問は「この経費になりそうもない支払いを、経費に落ちるようにできますか?」と理解するのが正しいと思われます。
一般的に、物事の判断にはグレーという白と黒との境界線があります。
この業界にいると、このグレーゾーンは思いのほか多くあることに気が付くものです。
特に、人の解釈が入る余地があるものだと、白にも黒にもなりうる可能性を持っています。
錬金術はグレーゾーン
今回の鳥貴族錬金術は、グレーと言われる領域と考えられます。
制度上は問題ないけれど、悪意に満ちており、制度主旨からは外れて飲食店を余計に苦しめることになりかねないからです。
現在では、鳥貴族では自己防衛のため、席のみの予約を受け付けないことになりました。
また、GoToEatキャンペーンでも、ポイント付与のためには最低限以上の金額の飲食をしないといけないような規制を作るよう検討されています。
要するに、制度の抜け道を塞いだことになります。
実は、税制改正でも同じようなことが毎年起きています。
意図的に消費税を還付できるような節税スキームが流行ると、国税庁側からその節税スキームを無効にするような規制を掛けてくるものです。
これは主観になりますが、一生懸命に抜け穴や不備ばかり探している経営者よりも、自分の本業での強みを活かした経営者の方が長期的に見て事業が成長していると実感しています。
数百円のために時間をかけ、他人と嫌な関係になるくらいであれば、その時間を事業を伸ばすことに活用した方が、中長期で見て目標に達しやすいということです。
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