定期報告会の重要性について
個人であれ法人であれ、事業を行っていれば申告が必要になっています。
事業規模が小さいことや、不動産賃貸専門のようにほとんど事業内容の変動がないために、毎月の事業内容を確認する必要性が無い場合は、会計事務所に確定申告(決算申告)のみ依頼していることが多いです。
一方で、事業の内容は変化しているけれど、申告が義務になっているため、仕方なく税理士に頼んでいる方も多くいらっしゃいます。
ここでは、会計事務所が行う定期報告会の重要性についてご紹介します。
目次
分かっているけど手間がかかる
会計事務所が行う定期報告の期間は、月次や4半期、半年などそれぞれの契約内容によって異なっていますが、その重要性の認識は経営者と会計事務所側では大きく異なっているというのが実感です。
経営者側では、あれこれ資料を用意して会計事務所に提供し、既に分かっている内容の事を、会計事務所担当者から色々聞かれて面倒ということあるのではないでしょうか。
逆に、会計事務所側からたいした説明もなく、ただ会計の資料を渡されて終わりということもあると思います。
それ故に、会計事務所が行う定期報告はさほど重要でない、という考えをされる経営者の方がいらっしゃいます。
ひとえに会計事務所が経営に役立つ説明や情報提供が出来ていない裏返しなのですが、これはとても勿体ないことをしています。
会計の入力を自計化しているにしても会計事務所に依頼しているにしても、時間やお金がかかっています。これをただ申告するために行うだけでなく、経営に利用できる方が良いに決まっています。ではどうすれば良いのでしょうか。
会社の健康診断であり羅針盤となる定期報告
経営者の方に、「定期報告は重要だと思いますか?」と聞ければ10中8、9は、『重要だと思う』と回答されるのではないでしょうか。
それでも定期報告に対して実際に重要度が上がらないのは、それが『過去のもの』という意識があるのだと実感しています。
たしかに、貸借対照表や損益計算書にせよ、キャッシュフローにせよ、過去の経営の指標です。日々経営に意識を向けている方にとっては知っている事実を記載されたものにすぎないかもしれません。
ただ、それらの資料には経営に重要なことが沢山詰まっていると感じています。
資料に価値がないのではなく、資料を活かしきれていないのが実情ではないでしょうか。
例えば山登りの場合、頂上に到達するために地図やコンパスなどで度々現在位置を確かめます。遭難しないためには、自分が想定したルートで正しく進めているのかがとても重要だからです。
また、健康な人でも健康診断を定期的に受けています。それによって思わぬ体の変化に気づくことがあります。
定期の会計報告は、まさにこれと同じです。
やらなくても事業を進めていくこと(生活していくこと)は出来ますが、定期でやっていくからこそ意味があることなのです。
どんな報告をもらうと役立つか
会計事務所の立場としては、経営者に興味をもってもらえるような報告をすることが重要です。さてそれはどんな報告でしょうか。
リアルタイムであること
まずは、報告がリアルタイムであることです。数カ月も前の業績を報告したところで、事業は日々変化しており、経営には役立ちません。
鉄は熱いうちに打て、と言うように、報告の内容をすぐに思い出されるようなタイミングで報告することが肝心です。
今後の事業に役立つ内容であること
試算表やキャッシュフローは、それを経営者が理解し、原因の分析や今後の事業に役立つ内容でなければなりません。
そのためには、会計事務所側でその資料を理解しポイントを絞って報告する必要があります。時には資料の作り方を変えるなどして、より事業に役立つ内容に変更することが求められます。
これらのことをすることで、経営者は会計事務所との定期報告に意義を見出すことが出来るのです。
まとめ
会計事務所が作成する資料は、基本的には過去に起きたことを数字に落とし込み作成しています。
税務申告ではそれで完了ですが、それを事業に役立つ資料にするためには、資料を読み込んでいく必要があります。
例えば、売上が減少した場合でも、客単価が下がったのか、客数が下がったのか、ライバル店など外的な要因なのか、その原因によって挽回のアプローチは変わってきます。
常にゴール(経営目標)を意識しながら定期報告会をやれれば、経営者にとっても会計事務所にとっても有意義な会議になりますので、少しずつでも報告会のやり方を改善していきましょう!
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