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なぜコロナでも最低賃金が上がるのか

8月21日に2020年改定の最低賃金が発表されました。
昨年は全国平均で27円上がりましたが、今年はさすがに上昇幅は少ないです。
結果として、40県が値上げとなり、最高の値上がりは9県の3円となりました。

最高値の東京は1,013円の据え置き、神奈川は1円上がって1,012円となっています。
今年秋以降に順次値上げとなります。

 

目次

<なぜコロナでも最低賃金は上がるのか>

コロナの影響で日本の4月~6月のGDPは、前年同月比で27.8%減少しました。
これは過去最大の落ち込み幅です。昨年10月からの消費税増税に加えてオリンピックの延期など、経済に大きなマイナスの出来事には事欠かない現状です。

経済が後退してくると、賃金は低下していくのが常識です。
企業は雇用維持が困難になりリストラを始め、ボーナスカットや職を失う人が増えます。求人数も減少するためより賃金も減っていく流れです。

 

最低賃金を上げる理由としては、賃金はパートやアルバイトの非正規労働者に対して適用されるものですので、正規労働者から非正規労働者へ労働力をシフトしようとする企業に、どれくらい効果があるかは別として、少しブレーキをかけるものになります。

それと、私はあえて1~3円上げたのではないかと考えます。
はっきり言って、1円上がったところで給与担当者の負担が増えるだけでほとんど何も変わりません。
手取り額は、1日7円増えて1ヶ月で140円程度増えるのみです。

 

表向きには「コロナの影響で生活が苦しい非正規労働者を救済するため」と言われていますが、
それよりも、今後も賃金を上げていくという意思を見せたかったのだと推察します。(もしくは役所にそういった力が働いた可能性もありますが)

経済がこんな悲惨な状況でも最低賃金は上がっていくことを実現すれば、今後定着化し、毎年賃金は上がっていくものとして認識されていきます。

これで経済が上手く回っていければそれに越したことはありません。
ただ、最低賃金がどんどん上がっていければ、事業主側からすると雇用をためらう状況になってしまうという負の側面も見逃せないのが現状です。

 

<事業者が考えるべきこと>

大きな流れとして、毎年の最低賃金の上昇だけでなく、働き方改革での正規労働者と非正規労働者の格差是正など、労働者の権利を守る方向に社会が進んでいます。

労働者個人がSNSなどで発信できるため、ブラック企業は、より叩かれやすくなっていますので、今まで以上に労働者と上手く付き合っていく必要があります。

また、国の施策として副業も推進されていますので、労働者側からみても、その企業に依存しない働き方が選択できるようになってきています。

 

事業を運営していくうえで、景気の波はかならず起きます。それに対して柔軟に対応できる企業の方が生き残っていけるのは明白です。
そうした状況で今後増えていくと思われるのが、労働者個人を従業員として雇用するのではなく、フリーランスのように業務委託する形式で契約を結んでいく方法です。

事業主側からすれば継続雇用ではないため、採算を計算しやすくリスクが軽減し、労働者側からも自分の持っているスキルを多くの企業に買い取ってもらえるメリットがあります。

そうすると今より成果主義に繋がっていくことが予想されます。

 

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