中小企業や個人事業者にとっての会計事務所の選び方
会計事務所(税理士事務所)は、外から見るとどこも同じように見えませんか。
決算や確定申告は、税法などのルールに基づいて作成されますからどこに頼んでも同じに思えます。
私自身、個人の会計事務所から40人以上所員がいる税理士法人まで経験してきましたが、その内情は全く違うと言っても過言ではありません。
目次
個人事務所と税理士法人の違い
個人事務所は、代表者が有資格者(公認会計士、税理士)で、他無資格の所員で構成されているのが一般的です。まれに有資格者の所員もいます。
税理士法人は、複数の有資格者が代表社員になって形成されています。代表社員ではない有資格者、いわゆる勤務税理士も所属していることが多いです。
どちらの事務所でも、パートや正社員の所員を雇いクライアントの担当をすることになります。
クライアントによっては所長自らが担当することもありますが、担当できる数には限界があるため、所長の場合は所員も含めた複数でクライアントの対応をすることになります。
会計事務所の職員は、クライアントの方から「○○先生」と呼ばれることがあるのですが、実際には資格を有していない職員が多くいます。
これは税理士補助して有資格者の代わりに担当をしているに過ぎません。
個人事務所の大きな特徴として、その代表の先生によって事務所の性格が全く違っています。
当たり前のように思えるでしょうが、その性格の違いがとてもはっきり出ます!
事務所の方針、やり方、対応、スタッフの育成など、すべてが所長の判断で行われますので、良くも悪くも所長の色で事務所が運営されています。
一方で、税理士法人化されているところは、その性格は少し均一化していきます。
それなりの人数のスタッフ抱えるため、誰が担当しても一定レベルのサービスを提供できるようにやり方をマニュアル化しています。
個人事務所と法人どちらを選ぶのが良いか
結論から言うと、「どちらにしようか」と選ぶと間違います。
私が思う判断基準は、あなたが何を望むかと担当者は誰かです。
あなたは会計事務所に何を望みますか。
決算だけでよいからとにかく安く済ませたい。
面倒な会計業務を丸投げしたい。
毎月会って相談にのって欲しい。
自分の業界に詳しい事務所が良い。
拡大していく事業に対応して欲しい。
海外取引が得意な事務所が良い。など、それぞれニーズが違います。
その望みに対応できる事務所かは外から見ているだけでは分かりません。
ホームページで多少の特長は分かりますが、やはり実際に会って話してみて決めることをお勧めします。
その打ち合わせの時に、誰が担当になるか聞いてみてください。これはとても重要なことです。個人事務所、法人問わず、誰が担当になるかでそのサービスの質は大きく異なります。
例えるなら、カリスマ美容師が担当するのか見習いが担当するか程に違ってきます。
会計事務所では、担当者によって顧問料が異なるという方式を採用しているところはほとんど聞かないため、誰もがカリスマ美容師に担当して欲しいと思いますよね。
でも内情から言うと、会計事務所でいうカリスマ美容師は目一杯業務を抱えているため時間的な余裕がありません。
そして、これは業界の慣習ですが、誰が担当になるかの選択肢は通常会計事務所側が持っています。
もちろん希望すれば担当者を代えてくれますが、一方で、担当者の退職など会計事務所の都合で担当者が代わることもよく起きます。
まとめ
まずは自分の希望を満たしてくれる会計事務所か面談で確かめてください。
事業規模が大きいところは個人事務所では対応しきれないことが多いでしょうが、税理士法人の中でも性格が大きく違います。
『おたくの事務所では何が強いですか』と直接聞いてみるのも良いです。
これから長く付き合うことになるかもしれないところですから、疑問点は最初に解消していきましょう。
そして、担当者の対応、スキルを見極めてください。
複数担当がいる場合は、下の立場の担当者も重要です。通常その担当者があなたと多く接することになります。
相性が良くないと感じたら、担当が代えられるか聞いてみてください。最初から代わる方がお互いストレスなく付き合うことが出来ます。
クライアントと会計事務所のミスマッチは、上記の2点を抑えることでほぼ解消できます。
ちなみに私は個人事務所として開業予定です。担当者の所員をおかずに全て担当していくつもりです。
そのため担当できる数に限りはありますが、サービスの質にこだわっていきたいと思っています。
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