税理士試験受験とスタートライン
毎年8月の上旬に税理士試験が行われます。今年は8月18日~とコロナの影響で少し遅めですね。
これを書いているのは8月13日、受験生は今最後の追い込みの時期でしょう。
目次
税理士試験と税理士資格
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、税理士の資格を取るためには、いくつか方法があります。
1.税理士試験で必須科目と税法科目の合計5科目を合格する
2.税理士試験で必須科目と税法科目を一部合格し、大学院の修士論文を提出し科目免除を得る
3.税務署職員として一定期間勤務して試験免除を受ける
1や2の試験合格組は、会計事務所などに2年以上勤務実績を積み、事務所の先生に証明をもらうことではれて税理士になることが出来ます。
どの方法でなっても税理士であることには変わらず、依頼する側としては資格の取得方法よりも、その税理士がどの分野に強いかが重要になってきます。
例えば、医者でも内科、外科、産婦人科など症状によって科が分かれているように、税理士も個人事業、法人、相続など、得意分野が異なってきます。
※税理士は取得方法や合格科目にかかわらず、どの分野も取り扱うことができます。
税理士合格はスタートライン
私が教えて頂いている先生からいつも言われたことに、
「税理士になった時がスタートライン。早くスタートラインに立ちなさい」という言葉です。
会計事務所で一職員として働いているときには、まだ何者でもありません。
クライアントの方から税務申告や税務相談の依頼を受ける機会があっても、担当者自身はあくまでも所属の税理士先生の補助として仮に受けているだけで、自らが引き受けることは税理士法上できません。
私自身、税理士試験を受けている期間は、ただひたすらに試験に合格することを目指して日々生活していました。仕事をしながらの受験だったため、家族や職場の協力を得ながら何年も受験生生活を送ってきました。
年に一度、それぞれの科目の合格率は10%程度の試験ですので、その年に受からなければまた一年同じ勉強を続けなければならないプレッシャーがあります。
途中で資格取得を諦めた方も多くいることと思います。難関資格と呼ばれていますので、その方がその人の人生にとって良い判断という場合も多いと思われます。
それでも税理士を目指す方へ
税理士は、資格取得の難易度のわりに、将来AIに取って代われる職業としてピックアップされることもあってか、受験生が年々減少しています。
一昔前のように、税理士の資格を取れば良い収入や環境が約束された状況ではありません。
合格後し資格取得を目前を控えた私の実感として、試験の方が開業するよりも楽のような気がします。
試験なら何をすれば良いか明確で、やればやるだけ成果が出ます。
一方で、開業税理士として生計を立てるには、何を身に着け、どの分野でクライアントに貢献できるかを真剣に考え実践していく力が必要です。テストのように簡単に点数化出来るものではないため、日々自問自答しながら改善させて進んでいくしかないでしょう。
試験ではインプットの力が主でしたが、実務ではアウトプット(伝える力)の方が重要です。
税理士は生涯勉強と言われていますが、その勉強の質も変わってきているように感じます。
そしてそんな状況でも勉強を続け、税理士試験を目の前にしている受験生の方、まずは目の前のことに精一杯取り組んでください。その積み重ねがクライアントの方からの信頼を受ける糧となります。
合格すれば勉強に費やしていた時間を全て実践の時間に向けることが出来ます。それは大きな財産になります。
税理士になって目指すべき道は、日々クライアントの方々に接する中できっと見つかります。
もうひと踏ん張りです。最後まであきらめずに挑戦してください。
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