資金繰り改善策
事業をしていて、利益は出ているのにいつも月末になると資金繰りが厳しいという方に改めて見直して欲しい点を紹介します。
目次
<売掛金の回収、買掛金の支払いのタイミング>
各々の商売の慣習や状況によって、売上た資金を回収するタイミングは異なります。
店舗での物販や飲食の場合、現金払いであれば即時に回収となりますが、建設業やIT産業では、完成納品までに数回に分けて売掛金を回収することが一般的です。
売掛金の回収のタイミングにかかわらず、仕入れや人件費などの支払いが必要になりますが、回収よりも支払いが先行する場合に資金繰りが悪化することになります。
そのため、まず回収のタイミングと支払いのタイミングを把握し、出来るだけ支払いを先延ばしできるようにするのが肝心です。
取引実績を積むことで条件をより有利なものに変更していく交渉をするのも良いでしょう。
<適正な在庫>
在庫は近い将来キャッシュを生む財産ですが、在庫のままでは何も生みません。
過剰な在庫は資金繰りを厳しくするだけですので、常に適正な在庫管理を進めることが資金繰りを良くする方法です。
劣化してきた商品、競争力を失ってきた商品については、思い切った在庫処分が必要になってきます。
過剰な在庫は儲かっている会社にもよくあります。
そして在庫処分は、販売の見通しを見誤っていたことからなりますので、過去の自分の判断が間違っていたことを意味します。
それを認めるのは心苦しいこともあるでしょう。
ただ、執着しすぎて資金を悪化させておくよりも、見切りをつけて別のものに資金を回す方が事業を良くすることになりますので、決断力が求められます。
<過剰な節税対策の見直し>
税金を払いたくないために、生命保険に加入することがよくあります。
資金繰りが厳しいのに、過剰に保険料を支払っている会社をたまに見かけます。
特に、今は保険料の支払いのうち損金扱い出来る(経費として認められる)割合が減ってしまったため、節税効果が薄れています。
キャッシュで見ると節税保険は、それを解約するか保険金が入ってくるまで、ずっとキャッシュアウトが続きます。
イメージとしては保険会社に資金を積み立てているような状況です。
たしかに契約者貸付という制度があり、いざとなったら借入を出来るから問題ないという考えることもできますが、利息を支払う必要がありますので、節税目的が本末転倒になってしまいます。
そして節税対策のほとんどがキャッシュアウトを伴いますので、資金繰りの観点からはマイナスとなります。
<まとめ>
ご紹介した資金繰りを改善する方法は、どれも難しいものではありません。
但し、日々注意を払うことが肝心です。資金繰りは事業の生命線ですので常に気を付けてより良い事業運営を心がけましょう!
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