融資申し込みでの事業計画書の作り方
銀行や信用金庫、日本政策金融公庫などに融資を申し込む際には、
借入申込書以外に、事業計画書や経営者の略歴が分かる資料を求められることがあります。
この事業計画書は、新規の融資や創業融資では、求められなくても付けておいた方が良いです。
そして事業計画書の作り方次第で、融資の判断が大きく変わってきます。
事業計画書は文章で書くものと、数字(収支表)で書くものに分けられます。
それではこれらを作成する際の注意点を紹介します。
<事業計画書を作る目的>
事業計画書の作成をお願いすると、
多くの経営者の方は自分の事業がいかに優れているかを長文で書いてきます。
これが間違いの典型例です。
事業の優位性は書くべき内容の一つですが、それがメインではありません。
そして、その事業に携わっている方なら事業の内容を理解し、
優位性を把握することができますが、融資担当者がその事業に精通しているとは限りません。
この事業計画書の目的は、融資を受けることです。
自社の商品をアピールする場ではないのです。
そのため事業計画書を書く大前提として、金融機関が知りたいことを理解して、
それに沿う形で事業計画書を作成する必要があります。
<金融機関が知りたいこと>
金融機関が知りたいことの核心は、
貸したお金が返ってくるのか につきます。
そして、事業者は借りたお金を返せることを証明するために、
◎経営者の事業経験と人柄
◎事業の実績や今後の見通し
を分かりやすく提示することで、担当者に融資をしても大丈夫だと判断してもらう必要があります。
特に創業して間もない時期であれば、事業の実績が出ていないため、
これまでの事業経験や売上(販売先)の見通しを、出来るだけ具体的にするのが良いです。
例えば、同じ事業に何年携わっていたか、その時の実績はどのくらいか。
また、既に契約している顧客がいるのであれば、その金額や内容について計画書に明記するなどです。
<事業計画書の作り方>
そして、事業計画書は数字に落とし込むことで、相手に数段分かりやすく伝わります。
創業期でも、顧客が決まっているのであれば、その売上を他のと分けて書くとより分かりやすいです。
利益計画表に加えて、融資額とその返済予定を入れた「資金繰り表」を作成すれば、準備OKです。
融資担当者との面談では、この利益計画表を見合わせながら、今後の事業の予定を伝えてください。
<まとめ>
事業計画書は、数字を使ってより具体的に書くことが望まれますが、
創業期にはまだ実績がないため、具体的なことを書くものがあまり無いことでしょう。
そんな時には、自分の経歴で今の事業につながることがないか洗い出し、書いてください。
また、売上の単価やどのような販売先をターゲットとしているか、競合調査からの売り上げ見込みを
書くなどし、事業が今後伸びていくことを伝えるようにすると良いです。
参考までに、日本政策金融公庫(国民生活事業)の借入申込書ダウンロードページは以下です。
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html
横浜トライ会計事務所 税理士 鈴木正宏