クラウド会計を経営に活かす
会計ソフトを新しく導入する時に、色々種類があって悩みどころですね。
使いやすいソフトを選ばないと日々の業務がやりずらくなりますので、慎重に選びたいところですね。
これまで会計ソフトはPCにインストールする型が主流でした。
しかしながら、現在は徐々にクラウド型が広がりを見せていますね。
会計ソフトのうちクラウド型が占める割合は、以下のように急上昇しています。※㈱MM総研調べ
2016年 9.2%
2017年 13.2%
2018年 14.7%
2019年 18.5%
2020年 21.3%
2021年 26.3%
表題のように私はクラウド型を推奨しています。
そこで、クラウド会計ソフトのメリット・デメリットなど特徴についてご紹介したいと思います。
目次
クラウド会計ソフトのメリット・デメリット
メリット
・いつでもどこでも
インストール版は、その名の通りインストールしたPCでしか使用できません。
一方で、クラウド型はインターネットに繋がる環境であれば、どこからでも会計ソフトを使用することが出来ます。
例えば、社長が自宅で業績が気になった時に、IDとパスワードを知っていれば会計ソフトを使用して確認することが可能です。
同様に、経理担当者が在宅勤務をする際も、場所を選ばずに会計入力をすることができます。
・共有
クラウド型の会計ソフトは、複数人での使用がやりやすいです。
例えば、インストール型の会計ソフトを2台のPCで使用している場合、入力が終わった時点でデータを保存し、
そのデータをもう一つのPCへ共有(コピー)する必要がありました。
よくある失敗例として、両方の会計ソフトで入力を進めて、データを合算することを忘れてしまった場合、
どこまで合算すれば分からなくなり、現場が混乱するといった事例がありました。
しかしながらクラウド型ではこのような心配がなく、常に最新の会計データが共有されることになります。
リアルタイムでデータが更新されるため、離れたところにいてもすぐに入力結果が反映されます。
これは社内だけでなく、会計事務所とのデータ共有でも大きなメリットになります。
会計事務所は現状どこまで入力進んでいるか簡単に確認することができ、追加・修正することも簡単にできます。
・更新が楽
インストール型の会計ソフトを更新する場合は、通常ネット上で更新データをダウンロードするか、更新CDをインストールする必要があります。
クラウド版では自動更新のタイプが多く、「更新をします」というボタン一つで完了することが多いです。
デメリット
・セキュリティ
いつでもどこでも誰でも会計ソフトの入力が可能になる反面、IDやパスワードが流失しないように厳重に気を付けておかないといけません。
例えば、経理担当者が退職した場合には、パスワードを変更するなど対策を講じる必要があります。
また、インターネットに接続できない状況では使用することができません。
・修正内容が分かりずらい
複数人で使用している場合は、誰がどこの入力をしたか、修正をしたかが分かりにくくなります。
月次の入力を完了させたと思ったら、いつの間にかデータが修正されていたということもよくあります。
データを共有しているがゆえに、常に入力制限を設定しておかないと正しい入力が分からなくなる可能性があります。
・買い切りではない
インストール型の会計ソフトでは、一度購入すれば更新料を支払って継続する方法が一般的です。
そのため、一部更新料を支払わずに旧タイプの会計ソフトをそのまま使用しているケースがあります。
対してクラウド会計ソフトは月単位や年単位で使用料を払うことになります。
但し、現在は消費税など毎年のように改正があるため、旧型のソフトでは対応できないケースが増えてきています。
クラウド型会計ソフトの代表例
クラウド会計ソフトのシェア
2021年
弥生オンライン 50.7%
Freee 20.6%
マネーフォワード 14.8%
その他 7.5%
上記の通り、大手3社で全体の90%以上を占めています。※㈱MM総研調べ
そのため会計事務所にお勧めのクラウド会計ソフトを聞いた場合に、この3社のどれかをお勧めされることが多いです。
クラウド会計ソフトの特徴
これは各会計ソフトに共通していることですが、極力入力を少なく済ませるような仕様に年々進化しています。
具体的には、インターネットバンクに接続して通帳データを読み取り、仕訳に自動変換していくことです。
これはクレジットカードの明細でも同じことが進んでいます。
他、給与データからの連動、Excel表からの取込み、スキャンデータからの取り込みなど、
省力化は進んでおり、各社力を入れているところです。
弥生会計オンライン
弥生会計は古くから使われている会計ソフトで、使い慣れている人が多いのが大きなメリットになっています。
他、メリットとしては電話相談が充実していることが挙げられます。
弥生会計のインストール版とクラウド版は、違うソフトと考えた方が分かりやすいです。
入力のシステムは同じ形式を取りますが、ソフト間でデータを引継ぎすることはできず、移行するのは手間がかかります。
また給与ソフトは別になります。
料金 法人 ※初年度キャンペーンありの場合
セルフプラン 初年度 0円 2年目以降 26,000円
ベーシックプラン 初年度 15,000円 2年目以降 30,000円
Freee
一番のメリットは簿記の知識が無くても会計入力ができるということです。
仕訳の知識を必要とせず、取引の内容を入力していくことで、会計ソフトが勝手に簿記の形にしてくれるのがFreeeです。
他、各種グラフを標準装備しており、視覚的に経営の状況を確認することが出来ます。
請求書との連動や、給与・決済など他の業務との一括管理がやりやすいことも挙げられれます。
一方で、従来の会計ソフトに慣れている方には使いにくいところがあります。
特に会計事務所側での使い勝手について、評価が分かれるところです。
人事労務のソフトは別となります。
料金 法人 ※30日間無料あり
ミニマム 年23,760円
ベージック 年47,760円
マネーフォワード
請求書との連動、給与ソフト装備、グラフなど視覚から見て分かる各種レポートが充実しています。
金融機関やカード会社との連動も幅広く対応しています。
有料でオペレーターが領収書を入力してくれるプランがあるのも特徴ですね。
給与ソフトは別料金です。
デメリットとして、上記2社のソフトに比べて若干料金が高いことがあります。
料金 1ヶ月無料オプションあり
スモールビジネス 年35,760円
ビジネス 年59,760円
まとめ
会計ソフトは、より簡単に、より手間をかけないように年々進化しています。
そしてクラウド会計ソフトは、時間をかけず、よりスピーディに仕事をすすめるのにお勧めです。
ご検討してみてください。
横浜トライ会計事務所 税理士 鈴木正宏