確定申告の間違いに気が付いたら
今年もコロナによって個人の確定申告の期限が4月15日に延長されました。
既に提出が済んでいる方が多いでしょう。
そこで、よくある質問で、
「提出した確定申告について、間違いに気が付きました。どうしたらよいですか」と聞かれれることがあります。
その対応についてご紹介します。
<申告期限内に間違いに気が付いた場合>
例えば、今年の確定申告で間違いに気が付いた場合の対応は、訂正した確定申告書をもう一度提出すれば良いです。
申告期限内(今年なら4月15日まで)であれば、何度提出しても一番最後に提出したものが正式に受理されます。
いわゆる上書き保存と同じですね。
※注意点としては、反対に過去提出したものは全て無かったことになります。
<申告期限後に間違いに気が付いた場合>
まず、以下の2つのケースで対応が変わります。
1.税金を納めすぎのケース(還付が多くなる場合) → 更生の請求
2.税金を少なく納めているケース(還付が多すぎた場合) → 修正申告
更生の請求
上記の様式をご覧いただくと分かるように、間違えて提出した確定申告書の内容と、正しい内容を比較して書くことになります。
そして、「収入」の欄はなく、いきなり「所得」の欄からの書き始めとなることにご注意ください。
申告期限から原則5年以内であれば更正の請求ができます。
また、現実的な対応として、更正の請求を出すと後日税務署から連絡があり、
「更正の請求となったことが分かる資料(請求書などの写しや元帳)を提出してください」と言われることがほとんどです。
更正の請求を出すときには、合わせてその資料を提出するようにしましょう。
修正申告
修正申告で提出する書類は更生の請求とは異なり、以下三点です。
申告書B第一表
申告書第五表(上記添付の様式)
申告書第三表(分離課税用) ※分離課税所得がある場合
申告書B第一表には、修正した正しい申告内容を記載します。
申告書第五表には、過去申告した内容を転記するとともに、今回修正した結果の、税額や異動の事項を記載します。
修正申告でも誤った内容が分かる資料を添付すると良いです。
修正申告で追加の納税となれば、過少申告加算税、延滞税が別途かかってきますが、
自主的(税務署からの指摘予知前)に納税をしていれば過少申告加算税はかかりません。
また、これらの納税の事項は、原則申告期限から5年(不正行為等の場合は7年)とされています。
<例外 納税額が変わらないケース>
納税額が変わらなければ、基本的に再度申告のやり直しなど提出する必要はありません。
しかしながら、住宅ローン控除の適用1年目の場合など、納税者が有利になる制度を利用したい場合で、
その内容を記載することが漏れていたときには、嘆願書という形での提出が必要です。
なぜなら、住宅ローン控除は適用1年目に提出しないと、以後の適用が認められていなく、
記載がなければ、納税者自身が「その制度は使いません」と申告したと見なされてしまうからです。
<まとめ>
修正に気が付いたら早めに対応することが一番です。
ただし、更生の請求や修正申告により、税務署から注目をされることは避けられません。
更正の請求をして、税務調査を呼び込んでしまったという例もあります。
ご心配であれば、まず税理士にご相談の上、対応されることをお勧めします。