1回きりの大技 節税策
今回ご紹介する節税策は、お金はあるし、どうしても今期に利益を出したくない(節税をしたい)方に向けての大技になります。
この節税のインパクト(金額)は結構大きなものになります。
一方で、1回限りの対策ですし、課税の繰り延べ(納税を遅らせているだけ)ですので、本来の意味での節税策ではありません。
それでも、という方にご紹介したいと思います。
目次
短期前払費用の活用
通常、経費はその対象となる決算期に対応するものしか損金(税務上の費用)として扱われません。
例えば、3月決算の法人が、翌期の4月や5月の旅費や広告費を支払ったとしても、それは当期の費用としては認められません。
単純に「前払費用」として処理され、翌期に経費として認められます。
今回紹介するのは、そういった少し先の費用について、一定の条件が揃うと当期の費用にできるという裏技のような方法です。
ただし、短期前払費用に該当するためには大きな3つ制限があります。
1.この先1年以内の費用であること
短期前払費用は支払った時から1年を超える費用については認められません。
2.等質・等量のサービスであること
分かりやすく結論だけ言うと、継続契約の家賃、保険、リース料に限定して適用されるものと考えてもらうと良いです。
厳密には、等質・等量のサービスに当てはまれば適用できますが、判断が危うくなります。
実際に適用する際は、顧問の税理士等にお確かめください。
3.当期中にすでに対価を支払っていること
お金は当期中に支払ったものだけしか該当しません。また、未払いだけでなく過剰に支払ったものも該当しません。
具体例
保険やリース料についても同様です。
前払いの分は1年分でなく、1ヵ月分でも適用可能です。
但し、上記の例で、翌期4月~3月までの家賃を一括して当期2月に前払いした場合は、適用されません。
理由は、2月の支払時から翌年3月までは1年を超えてしまうためです。
3月決算の法人が、翌期4月~3月までの家賃を一括して当期3月に前払いした場合、その支払った全額を短期前払費用として当期の費用(損金)にすることができます。
その理由は、当期の2月払いだと、翌期3月までは1年1ヶ月あるためです。
注意点
一旦、短期前払費用としてまとめ払いをしたら、ずっと継続してください。そうでない場合、短期前払費用として損金(経費)処理できないことになります。
短期前払費用として処理できる項目には、制限があります。そして1回短期前払費用として処理したら、翌年も同じようにまとめて支払ってい下さい。
これは節税目的で悪用することを防止する意味です。
また、家賃の支払いは貸主の了解も取らずに1年分をまとめて支払っても認められませんのでご注意ください。
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